費用のことを考えるときには、生活スタイルと予算とをどうマッチングさせるかが大切です。例えば広くて大きな中古物件を購入して、それを躯体だけ残して丸裸にしてフルリノベーションして省エネ性能を高めようとすると、非常に大きなコストがかかる場合が多いようです。
それであれば、例えば、普段の生活のなかで特に滞在する時間が長いダイニングや寝室などを重点的に断熱改修を行うようにすれば、予算も比較的抑えることができます。そしてまた別の機会に、他のエリアを断熱改修するなど段階を踏んで家の性能を高めていくこともできます。
ですから、既存住宅のリノベーションというのは、予算に応じて、まるまる改修することもできますし、できるだけ小さく済ませることもできるのです。専門家などに相談しながら、あなたにあった計画や予算で進めていくことが大切です。
新築の家は必ず暖かいものだ、と思っている方もいらっしゃるでしょうが、そうとは限りません。例えば「あったかい家」と言っても、家全体がたった1台のエアコンで暖かくなるという家もあれば、各部屋にエアコンをつけて暖かくする家もありますから、そのレベルは様々あると言えるでしょう。どれだけ少ないエネルギーで、家全体を暖かくできるのか。UA値、Q値、C値、年間暖房負荷などの数値や、明確な基準があることを学び、冷静に比較しながら、快適な暮らしのできる居住空間のことを理解していきましょう。ちなみに、リノベーション・エコハウス山形がめざすのは、2020年に義務化される新築住宅に求められる基準よりも高い省エネ性能の家づくりである、と言えるでしょう。
「経済的である」とはどういうことかを考えるときには、その家に例えば30年以上暮らすことを想定することから始めてみましょう。すると、その家の金額というものは、その購入費や工事費に加えて30年分の光熱費のトータルの費用がかかってくることがわかります。当然のことながら、エコハウスは普通の家よりも初期投資が大きい反面、その後のランニングコストは少なくてすみます。これは、燃費の良いエコカーの方が普通の車よりも値段が高いけど、毎月のガソリンの支出は非常に少なくて済む、という事例にも似ています。
トータルで見たとき、エコハウスの方が普通の家よりも必ず安く済む、とはここでは言えません。しかし、その30年間ずっと、省エネ性能の高い暖かい家で、快適に気持ちよく過ごしながらランニングコストのあまりかからない暮らしができることは間違いないのではないでしょうか。